内容に不備のある就業規則に効力は認められるか?

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今回のポイント

Q:内容に不備のある就業規則に効力は認められるか?
A:要件を満たせば、不備のない部分の就業規則の効力は認められる。

論点は、内容に不備のある就業規則の場合、

  • 就業規則の内容のすべてが無効になるのか
  • それとも、不備のない部分については有効、つまり就業規則の一部は効力が認められるのか

という点です。

要件を満たせば効力は認められる

結論から書くと、

  • 内容に不備のある就業規則でも、要件を満たせば有効

つまり、効力は認められます。ただし、当然ながら、労働基準法が求める内容の不備があるため、労働基準法違反にはなります。

この点について以下のように行政解釈が示されています。

Q:労働基準法第89条第1号から第3号までの絶対的必要記載事項の一部、又は同条第3号の2以下の相対的必要記載事項中、当然当該事業場が適用を受けるべき事項を記載しない就業規則の効力如何。

A:設問のような就業規則も、その効力発生についての他の要件を具備する限り有効である。
ただし、設問のような就業規則を作成し届出ても使用者の法第89条違反の責任は免れない。

(昭和25.2.20 基収276号、平成11.3.31 基発第168号)

Qちゃん
不備があったらすべて無効というのは切ないですもんね。
A先生
結構、不備がある就業規則を見ることがありますから、すべて無効だったら大変なことになりますね。

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