社労士と顧問契約するとどんなメリットがあるか?

当事務所に寄せられる質問に本音で回答します。
社労士事務所・業界の慣習の中には一般常識から考えておかしい部分が正直あります。しかし、業界として信頼を得るためには、半ばタブーとされている質問であっても、公平・中立な立場、そして正直かつ本音で回答することが重要と考えます。

今回のポイント

Q:社労士と顧問契約するとどんなメリットがあるか?
A:毎月継続して依頼する業務・相談する内容がある場合は当然として、その他に、法令改正の内容などの最新情報や注意点を知ることができるといった様々なメリットがある。

Qちゃん
士業の中でも社労士には顧問契約というイメージがありますね。
A先生
ですね。ただ、きちんと顧問契約のメリットを得ることができているか確認した方がいいですし、メリットを感じていないなら契約をさっさと解除した方がいいです。
Qちゃん
そんな本音を当の社労士が言っていいんですか?
A先生
社労士に対する不満を企業から聞くことが結構多いんですよ・・・😅 私自身も気をつけなければと常々思っていますが。

まず、顧問契約とは「企業が、毎月定額の報酬を社労士に支払う契約」を指しますが、社労士との顧問契約には以下の2つのタイプがあります。

  1. 作業代行タイプ
  2. 相談・情報入手タイプ
Qちゃん
1は、毎月の賃金計算の作業をお願いするような場合ですね。
A先生
はい、賃金計算の他に、頻繁に人の出入りがある会社の場合は、社会保険・労働保険の手続きの代行もありますね。

2の「相談・情報入手タイプ」について、企業の立場から「なぜ企業は社労士と顧問契約するのか?」を考えた場合のメリットは以下の3つです。

  1. 法令改正の内容などの最新情報・注意点を知ることができるから
  2. 緊急事態でも確実に依頼でき、迅速・正確な回答を得られるから
  3. 企業の状況を継続して知ってもらうことで、問題の未然防止を期待しているから
Qちゃん
1はわかりますが、2はどういう意味なんですか?
A先生
急ぎの作業を依頼したい場合や、対応に緊急を要する相談をしたい場合であっても、顧問契約をした社労士がいなければ、まず社労士を探すことから始めなければならないという意味です。
Qちゃん
確かに、緊急事態なのに社労士を探すことから始めるのはイヤですね。ただ、社労士を探すのは大変なんですか?
A先生
全国に4万人程度の社労士がいるようなので、誰でも良ければさほど難しくないでしょう。問題は、緊急事態の内容に期限内に対応できるか、という質の部分でしょう。
Qちゃん
確かに、誰でも良いわけではないですもんね。3はどういう意味なんですか?
A先生
社労士は外部にいるわけですが、長く関わることで企業の内部事情にも詳しくなりますし、従業員と親しくなることもあります。そうすると、社長と従業員の橋渡し的な役割を期待されることもあるわけです。
Qちゃん
確かに、社長には言えないけど、外部の社労士には言えるってことはありますね。
A先生
もちろん、「この社労士は社長のスパイだ!」と思われたら最悪ですから、あくまで中立的な立場にいることを認識してもらう必要がありますが。
Qちゃん
なるほど、社労士は社長の味方ではない、ということですね。
A先生
はい、社労士法により公正な立場が求められています。

関連:会社側・労働者側の立場に立つ社労士がいるのか?

Qちゃん
なるほど。ちゃんとメリットがあれば、社労士と顧問契約をしていた方が良いということですか?
A先生
はい、その通りです。
例えば、3つのメリットを逆にすると以下のようになるわけですが、これで顧問契約を結ぶメリットはありませんよね?
  1. 毎月、継続して依頼する業務・相談する内容がない
  2. 法令改正の内容などの最新情報・注意点を知らせてくれない
  3. 依頼をしても作業が遅い、質問をしても回答をすぐに得られない、不正確な回答が来る
Qちゃん
これはひどいですね。激怒するレベルですよ😡
A先生
ですよね。このような社労士に対する不満を企業から聞くことが多いんです・・・😅

まとめ

社労士との顧問契約を検討しているのであれば、

  • 顧問契約の中で社労士は何をしてくれるのか
  • 顧問契約によって企業はどんなメリットを得られるか

について契約前にきちんと社労士に説明を求め、納得した上で契約を結ぶようにしましょう。

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