労務監査

外部から「御社の労務管理の状況を教えてください」と言われたとき、御社は堂々と対応できますか?

労働基準監督署の調査、外国人材の受入れ申請、M&Aのデューデリジェンス(DD)、取引先からの要請 —— 人事労務の書類と運用が第三者の目に触れる場面は確実に増えています。

あべ社労士事務所の代表社労士は厚生労働省出身であり、実際に企業の是正指導を経験してきました。そこで見たのは、多くの会社に「悪意はなかった」という事実です。自社のどの部分が法令に違反しているかを、誰も点検していなかっただけです。

労務監査は、その点検を、指摘される前に行うものです。

こんな状態なら労務監査が必要

次のいずれかに当てはまる会社は、一度きちんと点検しておく価値があります。

  • 外国人材の受入れを検討している
    2027年4月に始まる育成就労制度では、受入れ機関の要件として「労働、社会保険及び租税に関する法令を遵守していること」が明記されています。申請してから不備が判明すれば、受入れ計画そのものが止まります。
  • 就業規則を何年も見直していない
    最新の法改正や裁判例に追いついていない規定は、実際にトラブルが起きたときに効力を争われます。
  • 労働基準監督署の調査を受けたことがない
    未経験の会社ほど、指摘される項目が積み上がっています。経験上、実際10項目以上の是正勧告を受けると半年以上はその対応に忙殺されます。
  • 現場作業がある(製造・建設・運送・医療・介護など)
    労働災害が一度起きれば、労働基準監督署の災害調査が入ります。そのとき確認されるのは、事故の直接的な原因だけではありません。
  • M&A・IPO・大手企業との取引を控えている
    未払賃金は簿外債務として金額に直結しますし、大手企業は労務リスクのある企業との取引を嫌がります。
  • 人事労務の担当者が交代した、または兼務している
    前任者の運用が法令に沿っていたか、誰も確認していない状態です。
  • 従業員から労働条件について質問された
    その場で説明できない項目があれば、そこが点検すべき箇所です。

労務監査で何を見るのか

労務監査は、全国社会保険労務士会連合会が定める「経営労務診断基準」に基づいて、厚生労働省労働基準局出身の代表社労士が自ら行います。当事務所の主観ではなく、全国共通の基準で点検します。

ただし、共通の基準だけでは足りない場面があります。とくに現場を持つ会社では、労働安全衛生法上の義務が広く発生します。当事務所の労務監査は、「経営労務診断基準51項目」と、独自に行う「労働安全衛生法の点検」の2本立てです。

確認するのは51項目、すべてが必須です。大きく4つに分かれます。

  • 労務管理関連規程の整備(15項目)
    就業規則の作成・届出・周知/労働条件の明示/賃金に関する定め/育児・介護休業/ハラスメント対応方針など
  • 労務関連管理体制(22項目)
    労働時間・休憩・休日/36協定・変形労働時間制/年次有給休暇の付与と年5日の取得義務/健康診断・ストレスチェック・安全衛生管理体制など
  • 帳簿等の調製、保管(9項目)
    労働者名簿/賃金台帳/勤務表・タイムカード/年次有給休暇管理簿など
  • 労働保険・社会保険(5項目)
    労災保険・雇用保険の加入/健康保険・厚生年金保険の加入など

このほか、組織図・職務分掌規程などの組織体制、従業員数・平均年齢・平均年収といった数値情報(法令上の公表義務の項目を含む)も確認します。

実際に不備が多い9項目

これまでの監査、そして厚生労働省出身の経験上、多くの会社がつまずくのは次の項目です。

  • 就業規則の周知:従業員がいつでも見ることができる状態になっていない
  • 労働条件の明示:令和8年10月施行の改正を含め、書面の記載項目に不足、記載内容に間違いがある
  • 賃金の定めの内容:手当など記載内容と実態が違う
  • 賃金からの控除:法定外の控除について、事業場ごとに労使協定が締結されていない
  • 育児・介護休業等の定め:令和7年10月施行の改正を含め、法令改正に対応できていない
  • 始業・終業時刻の記録:出退勤の時刻ではなく、所定労働時間が一律で入力されているなど記録に不備がある
  • 36協定の記載内容:対象業務の範囲など記載内容と実態が異なる
  • 年次有給休暇管理簿:対象の従業員全員分が作成されていない
  • 安全衛生管理体制:衛生管理者や産業医の選任、衛生委員会の開催などに問題、法定上の記録に不備がある

これら9項目について、御社はいま「問題ない」と即答できるでしょうか。

経験上、9項目すべてに問題がない会社はほとんどありません。答えに詰まる項目が1つでもあれば、それは点検されていないということです。

労働安全衛生法の点検(当事務所独自)

経営労務診断基準51項目は全国共通の基準であり、どの社労士に依頼しても内容は同じです。当事務所はこれに加えて、労働安全衛生法に関する点検を独自に行います。

労務監査を掲げる社労士は多くいますが、その中身のほとんどは労働基準法です。労基法と安衛法の両方をきちんと点検できる社労士は、残念ながらほぼ存在しないと考えます。

労働基準監督署の臨検には、計画的に行う「定期監督」のほかに、労働災害が発生した事業場に入る「災害時監督」があります。労災が1件起きれば、調べられるのは事故の直接的な原因だけではありません。組織の安全衛生管理体制もです。

  • 選任すべき管理者は選任されているか
  • 安全衛生教育は行われていたか
  • 健康診断や就業制限の法令を遵守しているか

安衛法上の義務が一通り確認され、不備があれば芋づる式に是正勧告の対象になります。

問われるのは行政上の責任だけではありません。被災した従業員やその遺族から安全配慮義務違反による損害賠償を請求されたとき、安衛法上の義務を果たしていたかが、そのまま争点になります。書類が揃っていないのは、かなりの致命傷です。

当事務所が点検するのは次の項目です。

  • 化学物質の自律的な管理
    2024年4月から、リスクアセスメント対象物を製造・取り扱う事業場には化学物質管理者の選任が義務づけられました。業種・規模を問いません。塗料、インキ、洗浄剤、接着剤などを日常的に使っていれば対象です。
  • 安全衛生管理体制
    総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医・安全衛生推進者の選任、安全委員会・衛生委員会の設置と開催。必要な体制は業種と従業員数で変わります。「衛生管理者は選任している」だけでは足りない会社が少なくありません。
  • 安全衛生教育
    雇入れ時教育、作業内容を変更したときの教育、危険有害業務の特別教育、職長教育。実施していても記録が残っておらず、実施したことを証明できない会社が多い項目です。
  • 就業制限・技能講習・免許
    フォークリフト、玉掛け、クレーン、高所作業車など。資格を持たない従業員が業務にあたっていないか、修了証まで確認します。
  • 健康診断(一般・特殊)
    雇入れ時健診・定期健診に加え、有機溶剤・特定化学物質・粉じん・騒音などの業務に従事する従業員への特殊健康診断。結果に基づく医師からの意見聴取、監督署への報告まで確認します。
  • 労働災害発生時の対応
    2025年1月から労働者死傷病報告は電子申請が原則です。報告の要否の判断と提出の実績を確認します。報告を怠れば「労災かくし」として司法処分の対象となります。
  • リスクアセスメント・面接指導
    危険性・有害性の調査の実施状況、長時間労働者に対する医師の面接指導の体制。

このうち、実際に不備が見つかることが特に多いのは次の3つです。

  • 化学物質管理者を選任していない:2024年4月の義務化を知らないまま運用している
  • 安全衛生教育の記録がない:実施しているが記録が残っておらず、実施したことを証明できない
  • 特殊健康診断の対象者を把握していない:定期健康診断だけで足りていると考えている

先ほどの労働基準法の9項目と合わせて、労基法と安衛法の両方に問題がない会社は、まずありません。

この2本立てで、労務監査の所要時間は3〜4時間です。

ご準備いただく書類は日程確定後に一覧でお送りします。業種によって確認すべき安衛法上の項目が変わるため、御社の業種に合わせたチェックシートをお送りしますので、当日までに何を揃えればよいかで迷うことはありません。

当事務所の労務監査の強み

労務監査を行う社労士は多くいますが、「何を指摘されるか」を指摘する側で見てきた社労士は多くありません。

  • 指摘する側にいた経験
    最終官職は長野労働局監督課長。県内9つの労働基準監督署を指揮し、企業への是正指導を統括する立場でした。それ以前にも福岡労働局・福岡東労働基準監督署で、労働基準監督官に同行して事業場への臨検監督の実務を経験しています。
  • 労働安全衛生を専門として歩んだ経験
    九州大学工学部機械学科を卒業後、国家公務員Ⅰ種の技術系として厚生労働省に入省。初任配属が労働基準局安全衛生部安全課でした。本省の安全衛生部で労働安全衛生法令の指針や通達の立案に携わるなど、労働安全衛生行政に約5年従事しています。安全衛生の国家資格である衛生工学衛生管理者(工学的な手法により作業環境を測定・改善する資格)も保持しています。
  • 義務を果たす側も経験
    国家公務員を退職した後、2013年から約3年間、沖縄科学技術大学院大学(OIST)に勤務し、学内の労働安全衛生管理を担当しました。衛生管理者として職場を巡視して産業医と連携し、安全衛生委員会を毎月運営し、安全衛生教育の研修内容を自ら作成して講師として実施するなど、規制する側ではなく、現場で体制を組み、義務を果たす側に立った経験があります。

労務監査で点検する項目は、代表社労士自身が担当者として実際にやってきた業務でもあります。書類の形式だけを見て指摘するのではなく、その体制を現場で回すのに何が必要かを踏まえて助言します。

関連事務所紹介・代表プロフィール(経歴の詳細)

監査が3〜4時間で終わるのは、手を抜いているからではありません。何を見れば会社の実態が分かるか、どんな部分で法令違反になっているかを経験で知っているからです。書類を端から順に確認していく必要がありません。

また当事務所は、社会保険・労働保険の手続き業務や助成金の申請代行を行っていません。手続き業務の受注につなげるための監査ではないため、指摘すべきことをそのまま指摘します。

労務監査後の対応

監査をして終わりにはしません。結果に応じて、次のように進みます。

  1. 監査の実施後
    御社は「経営労務診断実施企業」の認証を取得できます。第三者による診断を受けた会社であることを対外的に示せます。
  2. 書類の不備が中心の場合
    不足している書類の作成や様式の整備について、ご依頼があればオプションとしてお引き受けします。費用は内容によって異なるため、監査の結果をお示しした上で個別にお見積りします。
  3. 就業規則そのものに問題がある場合
    条文が実態と合っていない、法改正に追いついていないといった場合は「就業規則作成・運用支援コンサルティング」で一から作り直します。

指摘した項目がすべて解消されれば「経営労務診断適合企業」の認証を取得できます。これは経営労務診断基準の必須項目すべてが適正と認められた場合に付与されるもので、監査を受けただけでは得られません。

まずは相談からという方へ

いきなり監査を受けるのは不安、御社で気になっている点だけ確認して欲しいという場合は「人事労務スポット相談」をご利用ください。

労務監査の費用

  • オンラインの場合:22万円(税込)
  • 御社への訪問の場合:26.5万円(税込)

従業員規模にかかわらず一律です。支店や営業所を労務監査の対象に含める場合は、1か所につき1.1万円(税込)を加算します。

また御社への訪問をご希望の場合で、福岡県外の会社の場合は、別途交通費をご請求します。

費用に含まれるもの

  • 経営労務診断基準51項目の確認
  • 改善点の指摘と改善方法の具体的なアドバイス
  • 社労士診断認証制度データベースへの登録(当事務所が実施)
  • 認証マークの取得(診断結果に応じて)

労務監査そのものについて、後から追加の請求が発生することはありません。

ただし、監査後の対応(書類の作成・様式の整備など)を当事務所にご希望の場合はオプションとなります。オプションの費用は、監査結果をお示ししたうえで個別にお見積りします。

取得できる認証マーク

職場環境改善宣言企業
経営労務診断実施企業
経営労務診断適合企業

労務監査を受けると、全国社会保険労務士会連合会が実施する「社労士診断認証制度」の認証マークを取得できます。労働社会保険諸法令の遵守や職場環境の改善に取り組む企業を、社労士が診断・認証する制度です。

認証マークが役立つ場面

現在は、過去に例のない人手不足の時代です。御社には以下のようなお悩みがありませんか?

  • 優良な人材が集まらない
  • 若手の求人応募が少ない
  • 求人活動で同業ライバル企業との差別化を図りたい

多くの企業が「採用難はうちだけじゃなく、どの企業も苦労しているだろう」と思っていますが、それは大きな勘違いです。残念ながら、求職者から応募が殺到している企業は存在します。たった1か月で22人から申込があった中小企業もあります(当事務所の顧問先です)

採用難と言われる現在ですが、少子高齢化の進展は止まりません。つまり、今後は「応募が殺到する企業」と「応募ゼロの企業」という極端な二極化が容赦なく進んでいくということです。

耳障りの良いことばかり募集要項に書く、いわゆる「求人詐欺」を行う企業がまだまだ存在する中で、自社によるアピールだけで求職者から信頼を得ることができると思いますか?

御社が、労働法令を遵守し、人を大切にする働きやすい企業であることを第三者によって診断され、それを証明できるマークがあったらどうでしょうか?

認証マークの取得は、採用だけでなく、M&A、IPOなど多岐に亘る効果も見込めます。当事務所ではM&Aに関与した経験がありますが、未払賃金などの労務リスクがあれば金額に大きな影響が出ますし、そもそもM&Aが成立しないことも十分ありえます。

今の時代、人事労務の法令遵守は必須であり、法令遵守を軽視する企業は生き残ることはできないと断言します。

なお、社労士診断認証制度は、診断を受けた社労士の氏名がデータベースで公開されます。御社がどの社労士に診断されたのかという記録も今後重要となるでしょう。

特典

特典

ご希望があれば、当事務所の労務監査を受けた企業には「人を大切にする企業」として、当事務所のWebサイトに掲載します。当事務所のWebサイトは、月間平均で約1万回のアクセスがあり、求職者に対する大きなアピール材料になります。

参考「人を大切にする企業」のご紹介

お申し込みの流れ

  1. 下の申込みフォームに、必要事項をご記入のうえ送信してください。
  2. 1営業日以内に、当方から確認メールをお送りし、労務監査の日程調整を行います。あわせて、ご準備いただく書類の一覧をお送りします。
  3. 日程の決定後から1週間以内かつ監査の実施前日までに、料金のお振り込みをお願いします。
  4. お支払いを当方で確認した後に、お支払い完了のメールをお送りいたします。

申込みフォーム

当事務所の業務は、人事労務管理という会社の機微に触れる情報を扱うため、当事務所の掲げる個人情報保護方針に沿って厳格に管理し、お客様の同意なく第三者に開示・提供することはありません。
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