【データ】変形労働時間制(1年・1か月単位、フレックスタイム制)の導入状況

作成:

思い込みやイメージではなく、データを踏まえて正しい状況を説明するのが当事務所のスタンスです。

今回は、変形労働時間制(1年単位、1か月単位、フレックスタイム制)の導入状況に関するデータを紹介します。

変形労働時間制の導入状況

厚生労働省が発表している「令和7年就労条件総合調査」によると、

  • 変形労働時間制を採用している企業の割合は、60.2%(令和6年調査60.9%)

となっています。

企業規模別の導入状況は以下のグラフのとおり、従業員数の多い企業ほど、変形労働時間制を利用しています

なお、変形労働時間制を採用している企業の割合と採用していない企業の割合の合計が100%となっていないのは「不明」の企業を含むためです。

注意

以下はグラフを表示しています。
もしグラフが表示されていない場合はページの更新をしてください。

Qちゃん
なぜ、従業員数の多い企業ほど変形労働時間制を利用しているのでしょうか?
A先生
メリットを理解した上で、社労士による支援を受けて制度設計をきちんとできるからでしょう。

変形労働時間制の種類別・規模別の導入状況

変形労働時間制を導入している企業60.2%の内訳は以下のとおり。なお、1つの企業で複数の制度を導入している場合があるため、合計100%にはなりません。

  • 1年単位の変形労働時間制:30.3%
  • 1か月単位の変形労働時間制:26.4%
  • フレックスタイム制:8.3%

全体で見ると、フレックスタイム制の導入状況はかなり低調です。

規模別に見ると、以下のグラフのとおり。

以上のグラフから、

  • 1年単位の変形労働時間制は、従業員数が少ない企業ほど利用
  • 1か月単位の変形労働時間制は、従業員数が多い企業ほど利用
  • フレックスタイム制は、従業員数が多い企業ほど利用、しかも違いが顕著

という傾向が顕著になっています。

後述のとおり、業種によって制度の活用状況に違いが生じるのは理解できます。しかし、従業員数によっても、これほど利用する制度の違いがあるという点は興味深いところです。理由はいくつか推察されますが。。。

Qちゃん
本当に全然違いますね。従業員数の多い企業は1か月単位 → フレックス → 1年単位の順で、少ない企業は1年単位 → 1か月単位 → フレックスの順になっています。
A先生
まさしく大企業と中小企業の違いが如実に出ているデータと言えます。

変形労働時間制の業種別の導入状況

業種別の導入状況をまとめたのが以下のグラフです。

業種別のデータが集計された最新の結果は「平成30年就労条件総合調査」であるため、以下のグラフは若干古いデータとなっています。

やはり業種別に見ると違いが顕著に出ています。

フレックスタイム制の導入割合は全体的に低調ですが、以下の業種では「1年単位の変形労働時間制」や「1か月単位の変形労働時間制」よりも利用されています。

  • 情報通信業
  • 学術研究、専門・技術サービス業

専門性が高く、働き方の柔軟性・裁量を与えやすい業種であるため、理解できますが、それでもどちらも30%未満となっています。

変形労働時間制の導入における留意点

変形労働時間制を導入するためには、以下のように、就業規則への定めや労使協定の締結などの手続きが必要です。これは法令による義務です。

  • 1か月単位の変形労働時間制:就業規則または労使協定
  • 1年単位の変形労働時間制:就業規則・労使協定の双方
  • フレックスタイム制:就業規則・労使協定の双方

ただ、実務的には、制度の導入よりも運用面の方が重要ですし、運用面でミスしている企業が多いのが実情です。

また、制度自体を労働基準監督署から否定されることが多く、その場合は未払い賃金が発生するリスクが高まります。

そのため、変形労働時間制度を導入するのであれば、制度の導入から運用面に至るまで社労士による支援を受けることをオススメします。導入面のみ社労士による支援を受けて、運用でミスをして損をしている企業が多すぎるのはもったいないです。。。

参考:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」

登録無料 社労士限定 お悩み相談室
up_line