「今や週休2日制は当たり前」と言う方もいれば、「完全週休2日制なんて大企業だけ」と言う方もいます。実態はどうなのでしょうか。
思い込みやイメージではなく、データを踏まえて正しい状況を説明するのが当事務所のスタンスです。
今回は、厚生労働省の「令和7年就労条件総合調査」をもとに、完全週休2日制を導入している企業の割合を、推移・企業規模別・業種別に紹介します。
「週休2日制」と「完全週休2日制」の違い
データを見る前に、用語を確認しておきます。「週休2日制」と「完全週休2日制」は似ていますが、意味がまったく異なります。
就労条件総合調査では、主な週休制を次のように区分しています。
| 区分 | 内容 | 企業割合(R7調査) |
|---|---|---|
| 完全週休2日制 | 毎週2日の休日がある | 65.5% |
| 完全週休2日制より休日日数が実質的に少ない制度 | 月3回、隔週、月2回、月1回の週休2日制など | 27.1% |
| 何らかの週休2日制(上の2つの合計) | 月に1回以上、週休2日の週がある | 92.6% |
つまり、一般に「週休2日制」と呼ばれるのは「何らかの週休2日制」のことで、月に1回でも休日が2日の週があれば「週休2日制」です。毎週必ず2日休めるのは「完全週休2日制」だけです。


なお、労働基準法が求めているのは「毎週少なくとも1回の休日」です。週休2日制を義務づける規定はありません。
- 労働基準法第35条
- 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。
- 前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。
ただし、求人を出すときは休日を含む労働条件を明示する義務があり(職業安定法第5条の3)、誤解を生じさせる表示も禁じられています(同法第5条の4)。
完全週休2日制ではないのに「完全週休2日制」と書くことは、もちろん許されません。
関連:休日と休暇の違い
完全週休2日制の企業の割合(推移)
それでは、完全週休2日制を導入している企業の割合の推移です。
以下はグラフを表示しています。
もしグラフが表示されていない場合はページの更新をしてください。
このグラフから、次のことがわかります。
- R7調査では、完全週休2日制の企業は65.5%(R6調査は56.7%)
- R5調査の53.3%から、わずか2年で12ポイント以上伸びている
完全週休2日制の企業は3社に2社まで増えましたが、裏を返せば3社に1社はまだ完全週休2日制ではありません。
「当たり前」に近づいてはいるものの、まだ「当たり前」と言い切れる段階ではありません。
なお、平成27年調査からは調査対象が「会社組織の民営企業」から「民営法人」に広がり(医療法人なども加わった)、「複合サービス事業」も含まれるようになりました。そのため、平成26年調査以前とは単純に比べられません。また、令和6年調査から「週休3日制」の区分が設けられるなど、集計の区分が変わっている点にもご注意ください。
完全週休2日制の企業規模別の割合
次に、企業規模別の割合です。
規模が小さくなるほど導入割合が下がる傾向は変わりませんが、最も低い30-99人規模でも62.6%と、6割を超えました。
しかも、すべての規模でR6調査から上昇しており、特に以下の規模では9ポイント前後も伸びています。
- 100-299人規模は61.4%→70.7%
- 30-99人規模は53.6%→62.6%


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完全週休2日制の業種別の割合
最後に、業種別の割合です。割合の高い順に並べ、平均(65.5%)を赤、平均を超える業種を黄、平均以下の業種を青で示しています。
業種別の数値は「結果の概況」には掲載されていないため、e-Statの原表(第2表 企業規模、産業、主な週休制の形態別企業割合)から引用しています。
業種によって状況が大きく異なることがわかります。
最も高いのは「情報通信業」の95.7%、次いで「金融業、保険業」の94.4%。最も低いのは「鉱業、採石業、砂利採取業」の43.7%で、その差は50ポイント以上です。
一方で、製造業(59.9%)、建設業(62.7%)、運輸業、郵便業(44.9%)といった現場を持つ業種は、全規模の合計ではいずれも平均を下回っています。
こうした業種では、毎週2日の休日を固定する代わりに、年間カレンダーを組んで変形労働時間制で運用している会社も少なくありません。
関連:【データ】変形労働時間制(1年・1か月単位、フレックスタイム制)の導入状況
同じ業種でも規模によって状況は異なる
上のグラフの業種別の数値は、全規模の合計です。e-Statの同じ表には企業規模別・業種別の数値も掲載されているため、主な業種について抜き出しました。
| 業種 | 全規模 | 30-99人 | 100-299人 | 300-999人 | 1,000人以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 全業種 | 65.5% | 62.6% | 70.7% | 73.2% | 77.9% |
| 建設業 | 62.7% | 58.8% | 80.9% | 82.9% | 91.7% |
| 製造業 | 59.9% | 54.9% | 67.0% | 77.1% | 83.3% |
| 運輸業、郵便業 | 44.9% | 47.5% | 36.0% | 44.7% | 50.6% |
| 医療、福祉 | 78.1% | 78.5% | 81.5% | 67.4% | 62.7% |
建設業は全規模の合計では平均を下回りますが、100人以上の規模では8割を超えています。全体の数値を押し下げているのは30-99人規模の企業です。
製造業も、規模が大きくなるほど割合が上がります。
一方、運輸業、郵便業はどの規模でも5割前後以下にとどまっています。医療、福祉は、逆に規模が大きいほど割合が下がっています。


週休2日でない週は法定労働時間に注意
完全週休2日制でない会社が気をつけたいのが、法定労働時間との関係です。
- 労働基準法第32条
- 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
- 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。
所定労働時間が1日8時間の場合、週5日で40時間に達します。隔週週休2日制などで週6日勤務の週があれば、その週は法定労働時間を超えます。
この場合は、変形労働時間制を正しく導入するか、36協定を締結したうえで割増賃金を支払う必要があります。休日の規定、年間カレンダー、勤怠の実績が一致しているかどうかが問われるところです。


関連:【データ】企業における従業員数別・業種別の平均年間休日数
まとめ
「今や週休2日制は当たり前」と言う方もいれば、「完全週休2日制なんて大企業だけ」と言う方もいますが、データからわかる事実は次のとおりです。
- 完全週休2日制の企業は65.5%で、3社に2社まで増えた
- ただし3社に1社は、まだ完全週休2日制ではない
- 規模が小さい企業ほど伸びており、大企業との差は縮まっている
- 業種による差は大きいが、同じ業種でも規模によって状況が異なる(100人以上の建設業は8割超)
何事もイメージではなく、数字で語るべきです。
そして、こうした統計をもとに、同じ業種・同じ規模の会社と比べて「自社が対外的にアピールできる点は何か」という視点を持つことが大切です。これは採用だけでなく、従業員に対しても「他社と比べて自社は頑張っている」というメッセージになります。
その一方で、求人票では「完全週休2日制」とうたっているのに、就業規則や年間カレンダーはそうなっていない、という会社も見かけます。労働基準監督署の調査や従業員とのトラブルで、こうした不一致が問題になることがあります。
当事務所の場合
休日の決め方は、労働時間、割増賃金、変形労働時間制、求人票の表示にまでつながります。どこか1か所だけ直しても、ほかとの整合がとれていなければ意味がありません。
あべ社労士事務所の代表社労士は、厚生労働省労働基準局で労働基準法令・労働安全衛生法令の政策立案に従事してきました。当事務所の就業規則コンサルティングでは、休日の規定が実際の運用や年間カレンダーと一致しているかを含めて確認します。
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